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合鴨農法について

家畜と農業どちらもこなす合鴨の素晴らしさ

これは無農薬で稲作と畜産を同時に、効率的に行う方法である。田んぼに合鴨を放飼し、虫を食べさせ、雑草の繁殖を妨げることにより、合鴨の飼料費と農薬費が節約できる。この農法はアジアの伝統的農法として昔から行われ、平安時代に日本に伝来した。

かつては豊臣秀吉もカモなどの水禽を田んぼに放す方法を推奨したとされるが、その後定着することはなく、近代化以降は農薬の普及で動物は水田で飼えなくなった。しかし、1980年代に再び日本でその価値と有効性が再認識され研究が進み、全国に広がった。

合鴨農法のメリットは

  1. 合鴨が穀物につく虫を食べ、水を掻いて雑草の生を抑えるため、殺虫剤と除草剤を使わずにすみ、農薬費と合鴨の餌代が浮く。
  2. 合鴨の糞が田んぼの栄養となるため化学肥料の使用を抑えられ、足を掻いて泳ぐ時に土が攪拌されて根が刺激されて稲穂の成長率が上がる。
  3. 合鴨のおかげで大型農機や人手を必要としないため、肥料や人手の足りてない衰退した農を救うことができる。

反対にデメリットとして

  1. カラスやたぬきなどの害獣に雛を襲われる恐れがあるため、防鳥糸や柵を作るという手間が増える。
  2. 放飼いにする前の雛の保温や体調管理、補助飼料、などの飼育に手間がかかる。
  3. 稲穂が垂れる時期になると成長した合鴨が収穫前の米を食べる問題がある。また、次の田植えに成長しきった合鴨を放すと首を伸ばして早い段階から稲穂を食べるので毎年同じ鴨を使うことができない。養殖の合鴨を野生に戻すことも禁止されているため、成長した合鴨は食肉として美味しくされるか、保護してくれる人に受け渡すことしかできない。健康でストレスフリーに愛を込めて合鴨を育てる分、最後は心が痛くなる現実がある。
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