日本の各地では、高度経済成長期まで里山循環経済というものがありました。本来、日本国土の6割が里山であると言われるので、日本人の半分以上は山と田畑のある集落で暮らしていました。かつて里山では資源の循環が自然に確立していて、山に建材や薪炭となる木が植えられ、その落ち葉を使って畑を肥やし、野菜を育て、薪炭で家の暖をとり、食材を調理をするという生活が基盤の文化としてありました。その里山の風景がいま日本で見られることが少なくなっています。化石燃料の普及と、新しい産業の発展により、職を求め、若年層が里山から離れてしまい、農村地域などの過疎化が加速しています。
私たちは、かつての里山循環経済を現代の暮らしに活かすことが日本が目指すサステナイビリティだと信じ、里山再生プロジェクトを立ち上げました。京都にある京北地域の余野という村で林業、農業、畜産がそれぞれに連携し、炭素がうまく循環するように研究し、自然と共存できるライフスタイルを追求しています。地域住民と共に、自然と人間の共存できる新たな時代へと歩んでいきましょう。