About TrustWood ™
「とらすと・うっど」について
私たちが普段、さりげなく使っている木材。木はどこにでもあるかのように思えますが、果たして私たちが身近で見る木材はどのようにして採取され、加工され、消費者の手に届くのでしょうか。世界には持ち主の許可なく伐採されている森林があります。許可があっても、伐採したあとに植林されることなく、後先考えずに森を切り倒す業者も蔓延っています。不条理に切り拓かれた森林の木々が跡形もなく抜かれ、その周辺が砂漠化してしまう事例も少なくありません。
私たちは計画的に植林と伐採を行い、CO2負荷の少ない生産工程を経て、森林認証された木材を「TRUSTWOOD」(とらすと・うっど)と呼び、世界中の人々に信頼と資源をお届けしたいと願っています。
私たちが目指すのは、違法な森林伐採によって切られた木材が市場に出回らない世界。多くの人々が手軽に森林認証製品を購入できる世界。そして、世代に渡って森林をケアし、日本の自然環境を保護する林業家が報われる世界です。
LIFE CYCLE ASSESSMENT
ライフ・サイクル・アセスメントで環境負荷の見直し
Cradle to Grave(揺り籠から墓場まで)というフレーズを一度は耳にしたことがあるかもしれません。さらにそこから発展して、墓場にある廃棄物から再び資源を生み出すという意味で、Cradle to Cradle(揺り籠から揺り籠)という考え方があります。
また、Life Cycle Assessmentという、製造・加工・運搬など、生産から消費・廃棄処理までの全ての工程における環境負荷をチェックし、より環境負荷の少ない運営ができるように全体を見直す取り組みがあります。
私たちはこの二つの考え方に則って、まずはじめに木材という資源を「揺り籠」、つまり山に植林し、加工し、販売します。やがて、その製品がゴミとなりEnd of Life Productと化した時、廃棄物として「墓場」、つまり廃棄物処理施設へと送られます。そこから、処理工程を経て、姿を変えて、再生品原材料や再生可能エネルギーの燃料材となります。発電する時に木材が燃やされることによって排出される二酸化炭素は、新しく植えられた木々に吸収され、植物の細胞が幹となり地上に炭素固定されます。
このようにして炭素が姿形を変えて、自然界を循環し、大気中から地上にできるだけ長い間滞在することで実質環境負荷を抑えることができるのです。Cradle to Cradleの中にある全てのプロセスを一つ一つ正確に査定し、サステナビリティが一貫してあるかどうかを常に注意して活動していくことが私たちの理念です。
CARBON CIRCULATION
新しい炭素循環を描くための試み
化石燃料は自然が作り出すのに何万年もかかるのにそれを人類は数百年で使い切ろうとしています。このままでは資源が枯渇するだけではなく、異常気象や砂漠化も悪化する一方です。私たちは再び、自然の炭素バランスを取り戻すために、植物がCO2を吸収することを利用して、植林と耕作放棄地の開墾を行い、木や農作物という形で地上に炭素固定をしています。土中にある炭素量をSoil Carbon「ソイルカーボン」とし、山林の木々の炭素量をForest Carbon「フォレストカーボン」としたとき、それらを合わせた総炭素量を「里山カーボン」と称して、里山カーボンの蓄積を継続することにより、自然界で循環するカーボンの分布を均一に近づけ、土中の炭素量の測定と分析を徹底することで、農業ならびに、林業の観点からCarbon Capture「炭素固定」を実現します。農業廃棄物である籾殻も勲炭にして、地中に巻き、炭素固定と同時に、土壌改良剤としての役割も果たします。より多くのCO2を吸収し、より早く植物を再生エネルギーに変えられるように、早生樹を選んで植林しています。その他にも、建材となる木、そして薪炭になる木など多種多様な木種を植林しています。
早生樹と山林からでる間伐材や剪定枝をチップ状に細かく砕き、木質バイオマス(植物由来の資源)発電所で燃やし、電気と熱を生成します。燃やしているので、大気中にco2が排出されているのですが、再び植林して、新しい木が同じ量のco2を吸収するので問題はありません。要するに、±ゼロということで、これを
「Carbon Neutral(カーボン・ニュートラル)」と言います。
このように何万年もかかって作られるエネルギー資源を後世に残せるように、また、近い未来に化石燃料を一切使わずとも生活できるように、私たちは今から再生可能エネルギーを推進していきます。
日本の里山では昔から薪炭エネルギーが主流でした。山林に囲まれて、建材と薪になる木を植え、その落ち葉で畑を肥やし、野菜を育てていました。それが技術の躍進により、再び現代の里山で木がメインのエネルギーになり得るのです。
小・中規模のバイオマス発電所が地方各地にできれば、大規模な発電所からの送電コストや燃料運送ロスも無くなり、効率よくエネルギーを供給することができます。
薪炭から、石油、そしてバイオマスへ。
時代の変遷に合わせて、エネルギーもマテリアルも、より環境に優しいものへと変わって行くべきなのです。